故事成語 「逆鱗に触れる」
故事成語
「逆鱗に触れる」は、中国の古典『韓非子』に由来する故事成語です。
故事の概要
『韓非子』の「説難」篇に登場する話によると、龍は普段は温厚だが、その顎の下に「逆鱗(げきりん)」と呼ばれる一枚の鱗があり、これに触れると龍は激怒して触れた者を殺すとされています。この逸話から、普段穏やかな人物でも、ある特定の事柄に触れると激しく怒ることを表現するようになりました。特に、君主や権力者の怒りを買う危険な行為を指すことが多いです。
慣用句の意味
「逆鱗に触れる」とは、目上の人や権力者の怒りを買うような言動をすること、またはその人が特に敏感に反応する話題や行動に触れて激怒させることを意味します。日常的には、誰かのタブーや怒りのポイントに不用意に触れることを指します。
補足
・この表現は、特に上下関係や権威ある人物に対して使われることが多いですが、現代では一般的な人間関係でも使われることがあります。
・「逆鱗」は文字通り「逆さに生えた鱗」を意味し、龍の神聖さや特別な性質を象徴しています。
・日本では、この故事が江戸時代以降に広く知られ、武士社会や現代のビジネスシーンでも「上司の逆鱗に触れる」といった形で使われます。
使用例
・「彼は上司の不正を指摘してしまい、逆鱗に触れて左遷された。」
・「あの話題は彼女の逆鱗に触れるから、絶対に話さない方がいいよ。」
類義語
・地雷を踏む
・虎の尾を踏む
・怒りを買う
・火中の栗を拾う
・触らぬ神に祟りなし(ややニュアンス異なる)
<関連する画像>
<ツイッターの反応>
Visited 4 times, 1 visit(s) today