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中国との競争
中国がペロブスカイト太陽光パネル(特にタンデム型)を「まね」して、シリコン型太陽光パネルのように価格競争で日本を凌駕する可能性について、2026年現在の状況を簡単に分かりやすく説明します。
1. 中国はまねできないのか? → すでに積極的にまね(追いかけ)しています。

1)シリコン型のときと同じパターン
・中国はシリコン太陽光パネルで、世界シェアの80%以上を握るまでに成長しました。安い労働力・ 大量生産・政府支援で価格を下げ、日本企業を市場からほぼ追い出しました。

2)ペロブスカイトでも同じ動き
・中国企業(LONGi、天合光能/Trina、GCL、Microquantaなど)がすでに大規模投資を始めています。

3)タンデム型で効率記録を連発(LONGiが34.85%の世界記録を2025年に達成)。
・GW級(大規模)の量産ラインを2025〜2026年に建設・稼働予定の企業が複数あり、製造装置工場にも800億円規模の投資が出ています。
・中国政府の「14五計画」などで国家支援を受け、研究・特許・生産を急ピッチで進めています。

4)つまり、「まねできない」わけではなく、すでに本気で追いかけていて、量産・コストダウンで先行する可能性が高いです。特にタンデム型(高効率を目指す大型発電向け)は、中国のシリコン大手が既存工場を活かして有利に進めています。

2. 価格競争で凌駕されてしまうことはないのか?→可能性はかなり高い
1)シリコン型と同じく、中国は「安く大量に作る」のが得意です。
・ペロブスカイトも材料が比較的安く、印刷のような簡単な製法なので、規模の経済(たくさん作れば1枚あたりのコストが下がる)が効きやすいです。中国はすでにペロブスカイトの生産能力で世界をリードし始め、2030年頃には市場の大きなシェアを握る予測が出ています。

ただし、完全に同じではない点:
2)用途の違い
・日本企業(積水化学、カネカなど)は「軽くて曲がるフィルム型」を強みにして、ビルの壁・窓・弱い屋根・自動車など、今まで太陽光が置けなかった場所向けに開発しています。

・中国は主に「ガラス型・高効率タンデム」で、地面や普通の屋根向けの大型発電所を狙っています。

3)耐久性
・日本企業は封止技術(湿気・熱から守る技術)で先行していて、「10年相当」の耐久性を早く実現。
・中国はまだこの部分で追いついていない企業が多いです。

4)材料
・ペロブスカイトに必要なヨウ素を日本は世界2位で生産できるので、サプライチェーン(材料の供給網)で有利。

だから、「全部の市場で中国に負ける」わけではなく、用途を分けて戦える可能性があります。ただし、高効率タンデムの大規模市場では中国の価格競争力が強くなるリスクは大きいです。

3. 日本はこの事態を防ぐ手立てを打っているか?→はい、政府がかなり本気で対策を打っています。
シリコン型の失敗(シェアを失った教訓)を活かして、「同じ過ちを繰り返さない」戦略を取っています。
1)主な手立て
・巨額の政府支援:グリーンイノベーション(GI)基金などで数百億円規模の予算を投入(研究・量産・実証)。
・2025年度から導入補助金(環境省・経産省連携)で、建物壁面などへの設置を後押し。
・2040年までに20GW(原発20基分)導入目標。
・GXサプライチェーン構築支援事業で、積水化学などの量産工場に数百億円の補助。

2)差別化戦略(中国と正面衝突を避ける)
・日本は「フィルム型・軽量・柔軟・高耐久」に集中。中国が強い「ガラス型・大規模発電所向け」とは違うニッチ市場(壁面・BIPV建材一体型・車載など)を狙う。

・封止技術や薄膜形成技術(液晶・自動車部品で世界トップのノウハウ)を活かして、「他社に真似しにくい高品質」を目指す。

3)国内サプライチェーンの構築
・ヨウ素などの材料を日本国内で確保し、中国依存を減らす。
官民協議会で「次世代型太陽電池戦略」をまとめ、国内生産・海外展開を計画。

4)知的財産(特許)の活用
・基礎特許は欧米企業が強いが、日本企業も応用特許で差別化。中国企業は特許を買ったり自前で作ったりして対応していますが、すべてをまねるのは簡単ではない。

これらの対策で、「中国に全部持っていかれる」リスクを減らそうとしています。積水化学などはすでに実証を始め、2028年頃に本格プラント稼働を目指しています。まとめ(分かりやすいポイント)中国はまねしてきます:すでにタンデム型で記録を出し、量産を急いでいます。価格競争でシリコン型のように強くなる可能性大。

4)完全に凌駕されないための工夫
・日本は「軽くて曲がる・置けない場所に置ける」独自の強みを活かし、政府が大規模支援で後押し。用途を分けて勝負する戦略です。

5)結果はどうなる?
・まだ始まったばかりなので不確実ですが、数年後には「中国は大型発電所向け、安くて高効率」「日本は壁や特殊場所向け、軽くて耐久性が高い」という住み分けができるかも。成功すれば、日本のエネルギー自給率アップと新しい産業につながります。

中国の動きは速いので、油断はできませんが、日本政府・企業は「今回は負けない」と本気モードです。

4.原材料のヨウ素について、中国は自国で大量に採取できるかどうか?→難しいです。
結論から言うと中国はヨウ素を「大量に自分で採取」するのは難しいようです。

1)世界のヨウ素のほとんどはチリと日本で作られています。
・中国はほとんど生産しておらず、主に輸入に頼っています。

2)世界のヨウ素生産の現状(2025〜2026年頃のデータ)
・世界全体の年間生産量は約3万〜3.5万トンくらいです。

・チリ:世界第1位(約2万トン前後、シェア60%近く)。アタカマ砂漠のカリチェ(硝石)という鉱石から簡単にたくさん取れます。

・日本:世界第2位(約9,000〜1万トン、シェア約26〜30%)。千葉県などの地下の天然ガスかん水(塩水)から取っています。日本は埋蔵量でも世界トップクラス(約490万トン)と推定されています。

・その他の国:アメリカ、トルクメニスタン、アゼルバイジャンなど少しずつありますが、合計で数千トン程度。

・中国:公式に報告されるような大規模生産はほとんどありません。少量の粗いヨウ素は作っている可能性がありますが、世界シェアはごくわずかで、信頼できる生産量の数字はほとんど出ていません。中国はむしろ世界最大級のヨウ素輸入国の一つです(医薬品や電子部品でたくさん使います)。

つまり、ヨウ素の主な産地はチリと日本に集中していて、中国には「経済的に大量に採取できる良い資源」がほとんどないのが実情です。

5)なぜ中国で大量に採れないの?
・ヨウ素は海水や地下水、特定の鉱石にしかたくさん含まれていません。
・中国の土地では、チリのような高濃度の硝石鉱床や、日本のような高濃度のかん水がほとんど見つかっていません。
・ペロブスカイト太陽電池が普及しても、中国企業はヨウ素を日本やチリから輸入せざるを得ない可能性が高いです。

6)ペロブスカイトの主な材料の一つがヨウ素(ペロブスカイト結晶の中にヨウ素が入ります)。
・日本はヨウ素を国産でまかなえるので、サプライチェーン(材料の供給網)が強いのが大きなメリットです。
・中国がペロブスカイトを大量生産しようとしても、ヨウ素の部分で日本やチリに依存しやすくなります。
・日本政府や企業も、この強みを活かして「国内でヨウ素をしっかり確保・増産・リサイクル」する動きを進めています(例:合同資源などの企業がリサイクルを強化)。

注意点
将来的に中国が新しい採取方法を見つけたり、他の国から大量に買ったりすれば、状況が変わる可能性はゼロではありません。
ただ、今のところ(2026年時点)中国が「シリコン型太陽電池のときのようにヨウ素で世界を支配する」のは、現実的にとても難しいです。

5・まとめ(分かりやすいポイント)
中国:ヨウ素はほとんど採れない → 輸入頼み。
日本:世界2位の生産国で埋蔵量も豊富 → ペロブスカイトで有利。
チリ:世界1位の生産国。

これが、日本がペロブスカイトで「中国に全部持っていかれにくい」理由の一つです。シリコン型のときとは材料の状況がかなり違います。

やはり今回も厳しい戦いになりそうですが、現在設置済のリプレースには中国産が有利でも、日本国内の新規設置には日本産が設置できるような対策が取れると良いですね。

以上

<関連する画像>

<X(旧ツイッター)の反応>

白ヒゲの今日これ
@SirohigeKyokore

ペロブスカイト太陽光パネルの未来 - 白ヒゲの今日これ kyoukore.org/?p=1843 #ペロブスカイト

(出典 @SirohigeKyokore)

ronin184
@ronin_ts

返信先:@masataka2600他1人 中国のダンピングによる早期に市場を占有するやり方には注意しなきゃいけないが国策でやられると非常に厳しい戦いになる事は予想できる。 ペロブスカイト太陽光パネルは半導体のような複雑なエコシステムも必要なく割と簡単に生産できるので中国にとっては市場独占を狙ってくるのは間違いない。

(出典 @ronin_ts)

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