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背水の陣(はいすいのじん)

<故事の概要>
「背水の陣」は、中国の前漢時代(紀元前204年)の「井陘の戦い」に由来します。漢の将軍・韓信が趙軍と戦う際、川を背にして陣を構え、退路を断つことで兵士に死に物狂いで戦う覚悟をさせ、大勝利を収めたという故事からきています。この戦術は、逃げ場をなくすことで全力を尽くさせる戦略を象徴しています。

<慣用句の意味>
「背水の陣」は、退路を断ち、必死になって事に当たる状況や覚悟を表す慣用句です。後がない状況で全力を尽くすこと、またはそのような決死の姿勢を指します。

<補足>
この表現は、軍事的な文脈だけでなく、ビジネスやスポーツ、人生の大事な場面など、追い詰められた状況で最大限の努力をする場面で使われます。
類似の概念は他の文化にも存在し、英語では「fight with one's back to the wall(壁を背にして戦う)」などが近いニュアンスです。
ただし、現代ではこの表現が比喩的に使われることが多く、実際の物理的な退路を断つ状況はまれです。

<使用例>
「彼は会社存続のために背水の陣を敷いて新商品の開発に全力を注いだ。」
「試合に勝つために、チームは背水の陣で最終戦に臨んだ。」

<類義語>
死にもの狂い(しにものぐるい)
決死の覚悟(けっしのかくご)
一か八か(いちかばちか)
捨て身(すてみ)
孤軍奮闘(こぐんふんとう)

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