<故事の概要>
「傍若無人」は、中国の歴史書『史記(しか)』に登場する表現に由来します。具体的には、戦国時代の趙(ちょう)の国の武将、廉頗(れんぱ)が、秦(しん)の国の使者に対して無礼な態度を取ったエピソードに関連します。「傍若無人」は「そばに人がいないかのように振る舞う」という意味で、廉頗の傲慢で周囲を顧みない態度を形容したものとされています。この故事から、他人を無視してわがままに振る舞う様子を表す四字熟語として広まりました。
<慣用句の意味>
「傍若無人」とは、周囲に人がいることを気にせず、自分勝手で傲慢に振る舞うこと。礼儀や遠慮がなく、他人を無視してわがままな行動を取る様子を指します。
<補足>
・この言葉は、非常に強い否定的なニュアンスを持ちます。社会的なマナーや協調性を欠いた行動に対して批判的に使われることが多いです。
・「傍」は「そば」、「若」は「~のよう」、「無」は「ない」、「人」は「人」を意味し、直訳すると「そばに人がいないかのように」というイメージ。
・現代では、公共の場でのマナー違反や、他人への配慮を欠く態度を表現する際に使われます。
<使用例>
・電車の中で大声で電話をする彼の態度は、傍若無人としか言いようがない。
(電車という公共の場で、周囲を気にせず大声で話す様子を批判)
・会議で自分の意見ばかり押し通し、人の話を聞かない彼女は傍若無人だ。
(他人の意見を無視してわがままに振る舞う様子を表現)
・レストランで店員に高圧的な態度を取る客は、傍若無人な振る舞いで周囲を不快にさせた。
(店員に対する無礼な態度を批判)
<類義語>
・我が物顔(わがものがお): 自分が偉いかのように振る舞うこと。
・独擅場(どくせんじょう): 自分だけで場を支配すること。
・傲岸不遜(ごうがんふそん): 傲慢で無礼な態度。
・厚顔無恥(こうがんむち): 恥知らずで図々しい態度。
・勝手気まま(かってきまま): 自分の思い通りに自由に振る舞うこと。
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