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肝胆相照らす(かんたんあいてらす)

故事成語
「肝胆相照らす」は、中国の古典に由来する故事成語で、日本語の慣用句として定着しています。深い信頼関係や心の通い合いを表現する四字熟語です。

故事の概要
この成語の由来は、中国の戦国時代(紀元前403年~紀元前221年)の思想家・韓非子の著書『韓非子』や、その他の歴史書に登場するエピソードにさかのぼります。「肝胆相照らす」の「肝」と「胆」は、それぞれ「肝臓」と「胆嚢」を指し、古代中国ではこれらが人の感情や誠意の象徴と考えられていました。特に、親友や同志が互いに心の奥底をさらけ出し、完全に信頼し合う関係を表現するために使われました。
具体的な故事としては、以下のようなイメージが背景にあります:
・戦国時代の武将や賢者が、互いに命をかけて信頼し合い、腹を割って本音で語り合う様子。
・特に、司馬遷の『史記』や他の文献で、親密な友情や忠義の関係が強調される場面でこの表現が使われることがあります。

明確な単一のエピソードに限定されない場合もありますが、一般的には「心から信頼し合う関係」を象徴する言葉として広まりました。

慣用句の意味
「肝胆相照らす」とは、互いに心の底から信頼し合い、隠し事なく本音で向き合う関係を指します。肝臓と胆嚢が体の中で密接に結びついているように、互いの心が完全に通じ合い、深い友情や信頼関係を築いている状態を表現します。
肝(かん):肝臓。誠意や本心の象徴。
胆(たん):胆嚢。勇気や決断力の象徴。
相照らす:互いに光を当て合う、つまり心を見せ合う、理解し合うという意味。

この慣用句は、ビジネスや友情、家族など、さまざまな場面で深い信頼関係を描写する際に使われます。補足この表現は、非常に親密で真摯な関係を強調するため、カジュアルな関係や軽い友情には使いません。たとえば、ビジネスパートナーや長年の親友、師弟関係など、深い絆や信頼が必要な文脈で適切です。
日本の文化では、「腹を割って話す」「胸襟を開く」などの表現と似たニュアンスを持ちますが、「肝胆相照らす」はよりフォーマルで古典的な響きがあります。

使用例
・ビジネスシーン:「彼とは長年のビジネスパートナーとして肝胆相照らす関係を築いてきた。」
(彼とは、隠し事なく信頼し合うビジネス上の関係を築いてきた。)

・友情:「学生時代からの親友とは、肝胆相照らす仲であり、何でも相談できる。」
(親友とは心から信頼し合い、どんなことでも話せる関係だ。)

・歴史や文学の文脈:「戦国時代の武将たちは、肝胆相照らす盟友として共に戦った。」
(武将たちは、深い信頼で結ばれた仲間として戦った。)

類義語
・腹心の友(ふくしんのとも):心から信頼できる親友。
・刎頸の交わり(ふんけいのまじわり):首を切られても後悔しないほどの深い友情。
・推心置腹(すいしんちふく):心を押し開けて腹を置く、つまり本心をさらけ出して信頼し合うこと。
・心腹の友(しんぷくのとも):心から信頼できる友人。
・意気投合(いきとうごう):気持ちがぴったり合うこと(ただし、やや軽いニュアンス)。
・水魚の交わり(すいぎょのまじわり):水と魚のように離れられない親密な関係。

補足(文化的背景)
・この慣用句は、日本や中国の古典文学や歴史書に根ざしており、特に武士道や忠義、友情を重んじる文化でよく使われます。
・現代ではややフォーマルな表現ですが、ビジネスや文学、スピーチなどで信頼関係を強調したいときに効果的です。
・注意点として、カジュアルな会話や軽い関係には不自然に聞こえる場合があるため、文脈に応じた使い分けが必要です。

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(出典 @jMqUbxQaVdTjL86)

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